
令和2年7月豪雨では、熊本県南部を中心に線状降水帯による記録的豪雨が発生し、球磨川流域で甚大な洪水・土砂災害が発生した。本講演では、被害の実態と防災意識の現状を明らかにするために実施した2つの調査結果を報告する。まず、球磨川河川堤防における現地調査では、人吉盆地内の複数箇所で越水および堤防決壊、八代平野では旧河道に起因する堤体漏水が確認された。被害箇所はいずれも地形的要因や樋管などの人工構造物の影響により、河川堤防の縦断方向で不連続的な弱点を抱えていたことが判明した。次に、熊本高専学生222名を対象としたアンケート調査をもとに、地域別の防災意識を分析した結果、豪雨時に強い恐怖を感じながらも避難行動に移れなかった事例が多数見られた。また、市街地ではハザードマップ閲覧率や指定避難場所の認知度が低い一方、過疎高齢地域では比較的意識が高い傾向が示された。これらの結果を踏まえ、今後の防災対策ではハード・ソフト両面での強化が必要であることを提言する。
「来場事前登録」がお済みでない方は、先に「来場事前登録」をお済ませください。